「致しかねます」の意味を知っているようで知らずに使っている人も多い
2025年03月05日
大阪マネキン紹介所の現役販売員オマネキ(仮名)です。
「申し訳ございませんが、返金は致しかねます。」と、販売員として働いていると「致しかねる」をお客様に使うことがあります。
私も社会人になってから「致しかねます」を初めて使ったのですが、最初は聞いた時は「何て意味?」と思いました。
ビジネスの場では、結構使われている「致しかねる」ですが、正確な意味を知っている人は案外少ないようで、ECサイトなどで「返金は致しかねます」と書いていると、「返金できないの?返金できるの?結局どっちなの?」と、戸惑うお客様も少なくないようです。
「致しかねる」ですが、まず「致す」とは、「私が〇〇をします」という意味で、次に「かねる」とは、「しようとしてもできない」という意味になります。
ということで、「致しかねる」の意味は、「私が〇〇をしようとしてもできません」です。
もう一つ付け加えると、「しようとしてもできない」ということなので、「私はやる気があるのだけれど、事情があるため、しようと思ってもできない」ということです。
お店などでは、返金や交換を事情により受け付けていないこともあるため、その場合は「致しかねる」を使い「お客様、大変申し訳ないのですが、この場合の返金は致しかねます。」と伝えると正しい言葉として使えている訳です。
「致しかねる」の他に「できかねる」もあるのですが、こちらは事情や理由なしに「できません」と伝える場合に使います。
例えば、お客様から「今すぐここでやってよ!」など、無理難題を押し付けられた場合は、「申し訳ございませんが、それはできかねます。」と断ると、正しく使えている訳です。
「返金は致しかねます」とお客様に伝える場合、「返金はできません」と伝えるよりも、ニュアンス的には柔和な断り方なので、聞こえはいいのですが、理解してない人も結構いると覚えておいてください。
「えっ?どういう意味?」という顔をお客様がされている場合は、「申し訳ありませんが、この場合は返金ができないんです。」と言い直したほうが伝わります。
人によって語彙力は様々なので、自分が知っている言葉を他の人も同じように知っていると思いがちなのですが、実際は自分は知っているけど他の人が知らない言葉もあります。
その逆もあり、他の人は知っているけど自分は知らない言葉もあるため、お客様と会話をする場合は、特に気を付けてください。
私もお客様の服装の話をする場合も「今日のお洋服は素敵ですね」ではなく、「今日のお召し物は素敵ですね」と言うように気を付けています。
「お召しになる」もたまに使いますが、「お召しになる」は「着る」の尊敬語になります。
お客様に「今日、お召しになっているお着物ですが」と言い、「今日、着られているお着物ですが」とは言わないほうがいいです。
ちなみに「食べる」の尊敬語は「召し上がる」で、「お召しになる」と「召し上がる」は似ているため、間違っても「今日、お召し上がりになっているお着物ですが」と言ってはいけません。
お客様が着物を食べていることになります。
日本語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語があるから、本当に難しいです!
そういう私も語彙力が高くないため、咄嗟に言葉が出てこないことも多々あるので、その場合は、次回からは気を付けるようにしています。
販売員として働いていると、色々と言葉の使い方も学べるので勉強になることも多いです。
知らない言葉をお客様から教えていただいたり、他のスタッフさんから教えてもらったりするので、徐々に知識が増えていきます。
ぜひ、あなたも大阪マネキン紹介所でスタッフ登録をして、販売員として働き、知識を増やしてくださいね。
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